CoQ10 (コエンザイムQ10)
これまでα―リポ酸、L-カルニチン、ウコンと人気の健康素材についての情報を提供してきましたが、それらのリポートの中でも数回に渡って名前が挙がってきたCoQ10についていつまでも話を避け続けるわけにはいかないと思います。今までなぜCoQ10を避けてきたかと言えば、CoQ10に関する情報は今までありとあらゆるマスコミ媒体で詳しく紹介されてきているからです。その為に効果効能だけを通り一遍に説明してもこのブログの趣旨である「業界内にいるからこその情報」を紹介できないと思ったのです。CoQ10を書くからにはブームの仕掛けや現在の業界の動向を外して書くことができず、ある程度慎重にならざるを得なかったことをご理解下さい。
今、健食・サプリの業界を見るとやはり主役はCoQ10であってα―リポ酸やL-カルニチンの人気があると言ってもCoQ10の代替商品としての色合いが濃いことは否めません。そのCoQ10は去年の9月に「発掘あるある大事典Ⅱ」でその効能を取り上げられたことがきっかけで大ブームが起きました。この「発掘~」他複数のTV番組の影には某大手化粧品メーカーの仕掛けがあったことは業界関係者の中では常識となっています。そのブームの大きさはサプリメント業界では100年に一度と言われるほど大きなもので、未だにCoQ10は店に並べさえすれば売れると言われています。
しかし、あまりに大きなブームが起きてしまったため生産が間に合わないという事態を招きました。当時CoQ10を供給できたのは日本にある5つ会社だけでした。去年のCoQ10の総生産量が20t強です。この数字がどれほどのものかというと、去年じわじわと人気を伸ばしていたL-カルニチンの生産量が120t前後だということと、一日の摂取量がCoQ10100mg(※1)、L-カルニチン300mgということを考えるとあのブームを支えようとすれば20tという数字の五倍以上の生産量は必要だったと思われます。その上、CoQ10入りのドリンクやCoQ10クリームの大ブームが起きたのでCoQ10の価格は数倍にまで跳ね上がり原料の奪い合いが起きました。そのような業界の大混乱の結果、ケンコーコムなどが行った「注文の大量キャンセル事件」(※2)が起きたわけです。
このような状況を招いた結果、2つの悪弊が生じました。
1. 粗悪品の流通
CoQ10の機能性研究、普及活動などの目的で設立された日本コエンザイムQ協会の研究会で粗悪品と見られるサプリメント2品が発見されたという発表があったそうです。その他にも品質に問題があると言われている中国産のCoQ10でも店頭にあれば売れるので一時的な金儲けの為に流通させる業者が存在するようです。
2. 名前だけの含有量しか入っていない商品の流通
かなり熱心な人でない限りどのくらいの量のCoQ10が商品に含まれているのかまでチェックする人はいません。それを良いことにほとんどCoQ10が入っていないような商品の名前に「××コエンザイムQ10ドリンク」(※3)などとつけて販売しているメーカーが数多くあります。試しにコンビニエンスストアに行ってみて下さい。ドリンクタイプのものはもちろん、ゼリードリンクや栄養ドリンクタイプの商品でもきちんと30mg(前述しましたがこの基準はかなり少ないです)のCoQ10が入っている商品はほとんどありません。ひどいものでは1mg程度の商品さえあります。
CoQ10は本当に素晴らしい健康素材です。少し価格は高くなってしまいましたがその価値は充分にあります。こういった弊害は消費者にとって望ましいものではありませんし、CoQ10は買いたくないと思われてしまうことは業界にとっても大きなマイナスです。業界全体で必死に動いていますが、今後も誠実で信頼に足る業界としておかしな業者の暗躍を断固として許さない対応が必要になってくると思います。
CoQ10については一回では書ききれないので今後も折に触れて書いていこうと思っています。今回はまず最初に業界が現状に至るまでの経緯について触れてみました。次回も楽しみにしていて下さい。
(※1)CoQ10の摂取量が30mg~100mgというのが一般的な情報ですが、30mgは非常に少ない数字で、意図的なものを感じます。個人的には最低でも80mgは摂ることをお薦めしますし、事実アメリカでは最低量が50mg~100mgとなっています。
(※2)大手の健康食品通販サイト、ケンコーコムでは大塚製薬のネイチャーメイド 「コエンザイムQ10」の受注6000件についてキャンセルを行った。原料不足で大塚製薬の生産が間に合わず納品まで2年かかる計算になったためと発表された。
(※3)商品名はいつものように思い付きです。類似の商品があっても記事の内容とは全く関係ありません。
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