出版社の薬事法違反について

5月から6月にかけていくつかの出版社が薬事法違反容疑で摘発されました。みなさんはこう思われるかもしれません。「出版社が薬事法?関係あるの?」と。通常、出版社が医薬品に関わることは少ないと思います。ただ、今回摘発された出版社にはある共通点がありました。健康に関する研究を健康食品と関連付けて出版していたのです。

通称バイブル本と言われるこの手法を少し具体的に紹介してみましょう。

まず本には

●●キノコで●●病が治った!

というようなタイトルがつきます。

最近はここまで露骨ではなくなっていましたが、それでもなんらかの病気(特にガンや更年期などが多く見られます)が奇跡のように治った表現になっているのが特徴です。その上でどこかの大学の教授や助教授、医学博士や医者の研究と一緒に多くの患者の証言として体験談や臨床データに多くのページを割いて説明します。

そして最大の特徴となるのが

最終ページに商品例として具体的な商品の宣伝が載ります◆

場合によっては先の医学博士等の推薦商品として紹介しますので、本を全て読んだ人はその商品を購入するというわけです。簡単に言えば本を一冊使った宣伝広告です。なにしろこの本の出版に関する費用や医学博士の執筆料などは全て本の最後尾に載っている健康食品を扱っている会社が払っているのです。当然、いいことしか書かれていません。ネガティブな事例や場合によっては使用上の注意点もこの時点では省いている場合が多いのです。

こう書くと少しうさんくさいように感じられる方もいらっしゃるでしょうが、僕自身はこのバイブル本を全否定するわけではありません。と、言うのは教授や医学博士は当然実在する人ですし、そういった研究をされている方が長年の研究発表の場としてこういった本を利用することは充分考えられると思われるからです。

ただし、現在では摘発された出版業者が存在するようにこうした本自体が法的には広告として判断されており、(※1)その表現には当然、薬事法、景品表示法などの法的制限が存在します。今までも書いてきたとおり、僕自身は現行の薬事法の規制の仕方には少なからず疑問を感じています。しかしながら、悪法も法と言うように(少し言いすぎですが)ルールがあればそれを守る必要があります。ルールを守らなくても儲かれば良い、会社存続の危機だからルールを守っている余裕はない、などと考えている企業があるとすれば、その姿勢は当然利用者や顧客につけをまわすようになるでしょう。平たく言えば信頼できない会社ということになると思います。

最近は見かけることが少なくなったバイブル本ですが、今後もしばらくは完全になくなることはないと思います。もし、こういった本で健康に関する知識を手に入れたいのであれば、うまく付き合っていくことが必要だと思います。具体的には

     本に載っている情報を全て鵜呑みにしない

     本に載っている商品を購入する時は特に注意が必要

特に商品購入に関してはできればバイブル本は健康素材についての参考に留めて、商品は別の方法で探すことをお勧めします。なぜならこういった本に使った金額は大抵の場合、その会社で扱っている健康食品の価格として上乗せされているからです。通販でもドラッグストアでも探せばもっとコストパフォーマンスの良い商品があるはずです。

繰り返しますがバイブル本自体を否定しているわけでありません。書籍としては面白い情報も載っていますので、お勧めできるものもあります。必要な情報を集めるためにうまく付き合ってください。

情報が役に立ったと感じたら
人気ブログランキングの投票に
↓是非ご協力下さい↓

人気blogランキング

| | コメント (3) | トラックバック (1)

健康食品とガン患者(薬剤師の見解)

先日、薬事法違反で逮捕された社長を擁護するように受け取られかねない記事を書きました。繰り返しますが、それが薬事法であろうとスピード違反であろうとルールを曲げることはよくないことです。例えルールに問題や欠点があってもです。どんなルールでも様々な角度から様々な人たちの視点で見ればなにかしら欠点が見えてくるものです。私の記事では健康食品の業界に携わっている人間としての個人的な視点から意見を書いたに過ぎませんので、その点ご承知下さい。

視点といえばどんなルールでもそうですが、主役になる人達の視点が一番大切ではないでしょうか?例えばガンに効果を期待されるような種類の健康食品、サプリメントでは当然、ガン患者、またその家族が主役になると思います。彼らは一体健康食品についてどのように考えているのでしょうか?

共立薬科大の実務薬学教授の木津純子女史がガン治療時の患者の健康食品の取り扱い調査を行っていますので引用してみます。

調査はガン患者本人ではなくガン患者と接触のある薬剤師を対象にしたもので、32施設74名からの回答で成り立っています。これによるとまずガン患者が摂取している健康食品で最も多かったのはアガリクス、次にプロポリス、ビタミン類、ローヤルゼリーなどが上位を占めていたとのこと。(※1)
更に興味深いのは82%の薬剤師が健康食品がガンに影響した経験がないとのこと。悪い影響を与えた経験がある薬剤師は5%、良い経験を与えた経験がある薬剤師は9%とかなり低いパーセンテージを示しました。

また、入院時に原則中止されるのは9%のみで、種類によって中止が約半数となっていた。薬剤師の多くは医薬品との併用による影響に関するエビデンスが不足していると考えており、人によっては相互影響による副作用を心配している人もいるようです。健康食品業界としては今後さらに医薬品との併用や医療機関の方針に合わせたエビデンスが必要になってくると思われます。

それにしても良い影響を与えたのが9%というのは低いのか高いのか…。みなさんはどちらだと思いますか?

(※現在はフコイダンがかなり上位に食い込んでいると思われる)

情報が役に立ったと感じたら
人気ブログランキングの投票に
↓是非ご協力下さい↓

人気blogランキング

| | コメント (0) | トラックバック (0)

健康食品の見分け方

仕事柄ドラッグストアに行ったり、通販広告を見たり
をかなり頻繁に行っていますが、本当に健康食品や
サプリメントの種類の多さにはびっくりします。

それだけ消費者が色々なサプリメントを必要としている
ということだとは思いますが、逆に種類の多さが
サプリ選びを困難にしているとも言えると思います。

今後様々な健康素材を紹介して行こうと思っていますが、
その前に何を基準に商品を選べばいいのかを知っておく
ことがみなさんの手助けになると思います。

単純に言えば基準は
・品質
・価格
・自分が必要としているか

の3つになると思います。

そして購入方法によって判断の仕方が少しずつ変わる
ということを理解する必要があります。

●品質
これはウコンの記事でも紹介しましたが、目標摂取量を
満たしているかどうかがまず大きなポイントになります。
例えば100mg/日が目標摂取量であるのに対して、
一日分のサプリメントから10mgしか摂れないのでは
はっきり言ってあまり効果は期待できません。
1種類の素材だけのサプリであれば単純なのですぐに
わかりますが、問題はαーリポ酸+L-カルニチンのような
複数素材のブレンド商品です。
自分が必要としている素材をきちんと把握して、その他で
配合されているものはあくまでサポートとして考えるのが
分かりやすく、混乱が少ないでしょう。
こういった商品は実は目標摂取量に達していないものが
多くあり、特に価格が安いものはきちんとチェックしてから
購入する必要があります。
特にCoQ10などの人気素材は素材の原価が高いので
名前は「●●●CoQ10プラス」(※1)などといった名前でも
CoQ10は目標摂取量の1/10以下でビタミンなどの他の
栄養素を配合することで割増しているような安物商品も
存在します。
ビタミンが摂りたいのであれば良いでしょうが、CoQ10が
目的の場合はきちんと確認してから購入することをお勧めします。

●価格
次に購入価格が適正かどうかという問題があります。
もちろんみなさんは安く買えればそれに越したことはないと
考えていらっしゃるでしょうが、当然品質や素材の
価格でも商品価格が変わってきますので、安ければ
良いということではないことを理解して下さい。
あくまで目的は「健康になる・健康を維持する」ということで
あって、それに対して価格が見合うか見合わないかは
その次の段階の話です。
ですからここでお話することは
・十分な品質を保持した商品を適正な価格で買う
ことをお手伝いすることだと思って下さい。

前置きが長くなりました。
みなさんには既に品質の簡単な見方をお話しました。
まずどのような価格帯が存在するのかを知ってもらいたいと
思います。
インターネットなどでサプリメントを検索すると何千件もの
ショップがヒットします。よく見て下さい。

・数万円以上するもの
これはアガリクスやハナビラタケ、冬虫夏草などに代表される
ガンの人たちを対象とした商品や漢方の中でも特に高価で
希少なものを特殊なルートで販売しているような商品がほとんどです。
健康食品の店舗販売をしているような店に多い価格帯です。
また、インターネットに掲載してはいるけれど訪問販売で
主にお年寄りなどをターゲットに半年分、1年分と売るような
商法のものもこれに該当することが多いと思います。
いずれにしても一般の人はあまり関わりのない価格帯だと言えます。

・3千円~1万円程度のもの
これが一番多いのではないでしょうか?
商品としての品質を保ちつつ価格を抑えようと努力している
商品は多くがここに分類されます。
販売方法も大型ドラッグストアやスーパーマーケット、デパート
から通信販売まで幅広くある価格帯になります。

・千円、2千円以下のもの
低価格化の努力の結晶と言えると思います。
商品の見分けが難しいのもこの価格帯です。
きちんとした品質を保って低価格化することができたのか
それとも粗悪な原料(※2)を使ったり、素材を切り詰めて
安く仕上げたのか、きちんと見分ける目が必要です。
販売方法は安売りドラッグストアやコンビニなどになります。

例えばビタミンやポリフェノールなどは比較的原料価格が
低いので必要量を配合してもそれほど高価になりません。
しかし、CoQ10やフラバンジェノールなどは非常に高価で
少し配合するだけで高価な商品となってしまいます。
一般の方ではどの原料がいくらするのかを把握することは
難しいと思いますので複数の商品とその品質をチェックして
大体の適正価格を推理するのが良いと思います。

●自分が必要としているか
これは単純で改めて情報を提供するまでもないと思います。
自分が商品に「なにを期待しているのか?」を把握せず
に商品を購入するのはお金の無駄です。
流行りに流されたりせず冷静に客観視することが大事です。

簡単にまとめます
1.自分がどんな効能を必要としているか把握する
2.購入したい健康素材を決めて目標摂取量を確認する
3.自分がその効能にかけてもいい金額を決めておく
4.商品内容をチェックして、摂りたい素材の含有量を確認する
5.候補商品を複数比べてみて一番自分にあったものを購入する

次回は購入方法別の上手な情報の引き出し方を掲載する予定です。

※1実在商品ではなく、適当につけただけです。
類似した名前の商品があっても全く関係はありません。
※2粗悪原料については後日詳しくお話する予定です。

情報が役に立ったと感じたら
人気ブログランキングの投票に
↓是非ご協力下さい↓

人気blogランキング

| | コメント (0) | トラックバック (2)